ハリネズミは言わずと知れた虫好き。中でもミルワームは手に入りやすく、食いつき満点のおやつです。1日にあげるのは5匹から10匹というのが定説。あんまりあげすぎるとハリネズミフードを食べなくなったり病気になったりマイナスなことしかありません。ある程度慣れてくれるとおねだりしてくるので、ついついあげすぎてしまうかも知れませんね。
ミルワームとは
過去に熱帯魚を飼っていたのでアクアリウムショップでよく見かけていました。爬虫類を販売しているショップでは生き餌として取り扱っていますね。小さなプラカップで売られていることが多いです。
見た目はカブトムシの幼虫の細長いバージョンとでも言いましょうか。画像を載せるか迷っているのですが(見るのも嫌いな方がいるので!)今度モザイク付きで掲載しますね。
そもそも何の幼虫なの?
ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫の総称です。つまりゴミムシダマシ科に属している幼虫は何でもミルワームって呼んでいるんですね。
ゴミムシダマシ科の甲虫って?
ゴミムシダマシ科に分類される種類は世界に16,000種と言われ[1]ているそうです。(めっちゃ多い…)そんな中で古くからミルワームとして繁殖されているのはコメノゴミムシダマシという種類らしいです。一般的に市販されているミルワームはコメノゴミムシダマシの幼虫ということになりますね。
ミルワームの栄養価は?
ミルワームの成分の60%以上は水分のようです。人間と同じですね。次いで多いのはタンパク質で20%程度。脂肪が10%。繊維と灰分が数%。
高タンパクで脂質が多いということが分かります。あげすぎ禁物!の理由の一つですね。
カルシウムとリンの含有比率も重要
ハリネズミに与える虫餌ではカルシウムとリン(P)の比率は1.2~1.5:1.0が理想[2]とされているらしいです。ミルワームはなんと、14.0:1.0と非常にバランスが悪い。
このバランスが崩れたものを与え続けるとどうなるかと言うと、病気にかかりやすくなります。病気と言っても風邪とか腹痛とかじゃないですよ。リンの過剰摂取になり、代謝性骨疾患を起こす危険性[3]が高くなります。骨の病気ですね。
代謝性骨疾患とは
私もハリネズミを飼い始めて初めて聞いた言葉でした。英語ではmetabolic bone diseases。直訳するとメタボな骨の病気ですね…何となく理解できます。手っ取り早く言うと骨粗鬆症や骨軟化症です。
ミルワームのあげすぎには注意
上記、栄養学上の理由によりハリネズミに過剰にミルワームをあげるのはタブーです。太ったり骨がもろくなったりと良くないですね。
栄養以外の理由もあって、ミルワームばかりあげていると固形のフードを食べなくなることが懸念されます。ただでさえ偏食なハリネズミですので十分注意したいところです。
偏食については別記事をごらんください。(『ハリネズミの偏食を治してみた!【餌選び】』)
可愛さのあまりたくさん食べさせるのは止めましょう。
割り箸であげるのがおすすめ!
ピンセットなど新調する必要はありません。家に余っている割り箸で十分です(笑)。むしろ割り箸の方がいいんじゃないかという気すらしています。
割り箸に匂いが付きやすいのか、うちのあんちゃん(シナモン♀)は割り箸を見た途端にこっちに寄ってくるようになりました。
ミルワームの頭を潰してからあげた方が良いらしいですが、ジャイアントミルワームをあげる訳ではないので潰しても潰さなくても良いかと思います。
注意したいのは割り箸が針葉樹出てきているのか広葉樹で出来ているのかという点ですね。ハリネズミは針葉樹にアレルギーがあるので広葉樹である必要があります。国産の割り箸にはスギ、ヒノキ、エゾマツ、トドマツ、などの針葉樹とシナ、カバ、ハンノキなどの広葉樹が使用されているらしいです。まぁ見分けが付き難いので竹の割り箸が無難でしょう。ちなみに竹は木ではなくイネ科の植物ですね。
めっちゃ可愛いのでミルワームを割り箸であげてみてください!