冬眠概要
18℃以下になると冬眠に近い状態に陥ります。適切な温度は23℃~32℃とされ、最適な温度は24℃~29℃です。ヨツユビハリネズミは冬眠する能力を持っていません。冬眠に見える状態は低体温症という病気です。必ず24℃付近を維持してください。有名な飼育書にも明記されています。
ヨツユビハリネズミは冬眠しない(出来ない)
ハリネズミへの誤解の一つに冬眠する生き物だと間違った解釈があります。
一般的にペットとして飼育されるヨツユビハリネズミは冬眠する能力を備えていません。
ナミハリネズミなど冬眠する種類もいますが、飼育下のほとんどの場合は低体温症という病気です。
ヨツユビハリネズミは寒さに弱く低体温症になりやすい生き物です。
冬眠と低体温症の違いは、低体温で生き続けることが出来るか出来ないかという点です。
冬眠する能力がある生物は冬の時期に消費エネルギーを最小限に抑えるために、体温を下げ、眠ったままの状態を保つことが出来ます。
しかし、ヨツユビハリネズミには冬眠のような能力はなく、体温が下がったまま死に至ります。そうならないように適切な飼育環境を整えましょう。
冬の対策・低体温症(冬眠のような病気)の予防と対策
ヨツユビハリネズミは環境温度が18℃以下にならないようにしましょう。食欲が低下したり、動きが悪くなります。12℃17℃(※1)を下回ると低体温症になってしまいます。冬眠のような状態ですが病気です。熱中症の逆というイメージですね。どのような対処をしたらよいのでしょうか。
※1 ご連絡をいただき修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。17℃はデッドラインです。23℃以上をキープしましょう。
低体温症の前兆・3つの症状
以下の兆候が表れたら低体温症の可能性が高いです。
- 体温が低い
- 動きが鈍い
- 呼吸が少ない
低体温症の応急処置
低体温症だと分かった時点で焦って急激に体温を上げようとするのはタブーです。
慌てずゆっくり暖めてあげるようにします。
普段使っているヒーターを近づけてあげたり、ヒーターがない場合はペットボトルにお湯を入れ、簡易の湯たんぽで代用出来ます。熱湯ではなく40℃くらいのぬるま湯を入れてあげる方が急激な温度上昇を避けることが出来ますね。
タオルにくるんで主さんの体温で暖めてあげてもOKだそうです。大事なのはじっくりじわじわ暖めてあげることです。
低体温症の予防
寒い冬場は特にエアコンなどで室温を上げる必要があります。市販されているペット用のヒーターなどを利用することが必要です。東京の冬はエアコンは付けっぱなしでないとまず無理です。
(ちなみに我が家の電気代は2019年1月に2万円を超えていました…)
ハリネズミに適切な温度は23℃~32℃とされ、最適な温度は24℃~29℃です。必ず23℃は死守するようにしてください。
好適環境を作るために以下のアイテムは必須だと思います。
- エアコン
- ヒーター
- 温度計・湿度計
- サーモスタット
我が家の環境をご参考までにご紹介
うちではケージの上部に天井取り付け型のヒーターと床には底面タイプのヒーターを併用しています。水槽型のケージです。ケージが金網の場合は上から毛布など被せて暖かい空気が逃げないようにした方が良いですね。(温まりすぎないように注意!)
下記を使っていますが、冬場は室温18℃くらいでもケージ内部を25℃に保つことが出来ています。電気代は気にしない気にしない(笑)。
ケージ
水槽タイプのケージです。側面が一部メッシュになっているので通気性も考慮してあります。使い勝手がよいです。(見た目もおしゃれ!)
ヒーター
天井部分に暖突を使用しています。パンテオンは天井部が金網なのでキリやドライバーで穴をあける必要があります。
底面はピタリ適温です。ケージの下に敷いています。
温度計・湿度計
ペットショップで販売してあったものを使用しています。サーモスタットが温度表示されるタイプのものであれば湿度計のみでも良いかと思います。
サーモスタット
小動物グッズで知られるマルカンの製品を使っています。きちんと設定した温度になると電源がオン・オフされるので便利です。特に不満な点はありません。2種類のヒーターを使用する場合はどちらか一方しかつなげないので心配な方は2つ用意する必要があります。うちでは暖突につないでいます。ピタリ適温は全面に敷かず、部分的に暖かくなるように位置を調整しています。暑いときは別の場所に逃げられるようにしてあげましょう。
ヨツユビハリネズミは夏眠する
野生下のヨツユビハリネズミは夏眠することが確認されています。
暑い環境では注意が必要です。ただそれよりも熱中症への配慮が先決ですね。
夏の対策・熱中症の予防と対策
人間も熱中症の発症患者が急増していますが、ハリネズミにも熱中症に気を遣う必要があります。
ハリネズミに最適な温度の上限は29℃ですから、それ以上にならないようにコントロールしてあげましょう。
湿度も重要で40%を超えないように配慮する必要があります。
ハリネズミは人間のように汗で体温のコントロールが出来ません。夏場は暑いと手足をびろーんと広げるしぐさをみせることがあります。これは手足を広げることで表面積を大きくして体温調節を行っているんですね。決してリラックスしている訳ではありません(笑)。
熱中症の前兆・4つの症状
- だらっとしている
- 呼吸が荒い
- よだれが出ている
- 耳が真っ赤
上記が熱中症になったときに見られる症状です。
熱中症の応急処置
低体温症とは逆に体温をゆっくり冷やしてあげることが重要です。
氷などで急激に冷やすのはNGです。かえって命に危険があります。
涼しい場所へ移動して、水の入ったビニール袋などを当ててあげると良いです。
鼠径部や脇の下を冷やしてあげると効率的に体温が下がると紹介している書籍もありました。
いずれにしてもゆっくり体温を下げて、病院に連れていきましょう。
熱中症の予防
エアコンで室温が上がりすぎないようにすることが第一です。扇風機はハリネズミに直接当てないようにしましょう。人間も扇風機に当たったまま寝てしまうと具合が悪くなったりしますよね。空気の循環は必要なので、直接当てずに空気を流すように意識してみてください。換気扇を付けるのも一つの方法ですね。
あとはご存知の通り水分がなくらないように注意することです。
基本的に水分、温度、湿度に気を付けていれば大丈夫です。
何度も言いますが、ハリネズミに最適な温度は24℃~29℃、湿度は40%以下です。
まとめ
冬場の低体温症も夏場の熱中症もきちんと飼育環境を整えていれば回避することが出来ます。
必要なグッズを揃えるのは結構な金額になりますが、それを惜しんでいてはハリネズミを飼う資格はないと思います。ですが、それさえ出来ていればリスクが軽減されるので積極的に環境整備を図っていきましょう。
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